【3位-4位決定戦】 アサヒ飲料チャレンジャーズvsアズワンブラックイーグルス 試合レポート
’16.11.27
地力の差を見せつけアサヒ飲料がSuper9に勝ち残る
Xリーグ新体制に伴い、今季から開催される新しいポストシーズンゲームのディビジョン3位・4位決定戦。各ディビジョンの3位と4位が対戦し、勝者が翌年のSuper9になる一発勝負だ。
WESTは、アサヒ飲料チャレンジャーズとアズワンブラックイーグルスの顔合わせ、互いに負けられない戦いとなる。
立ち上がりはアズワンが速攻を仕掛ける。
自陣24ヤードからの攻撃。RB#28山上、#31坂本らのタテへの早い上がりや、QB#11矢部のオプションキープなどで連続ダウン更新すると、RB#24沖田のランで敵陣43ヤードへと侵入する。
しかしここからの3rdダウンショートが獲りきれず、パントに終わる。
対するアサヒ飲料。最初の攻撃シリーズこそ3アンドアウトに抑えられたものの、自陣21ヤードから始まった次の攻撃シリーズ。
QB#14原口からWR#1キングへのパスに続き、RB#24白神が左サイドを駆け上がり44ヤードの独走で一気に敵陣32ヤードに攻め込む。
ここからWRキングへのパス、QB原口のキーププレーでゴール前5ヤードとすると、QB原口がWR#82横山へTDパスを決めて、アサヒ飲料が先制する。
これでペースを掴んだアサヒ飲料。
続くアズワンの攻撃をワンプレーでインターセプトに仕留めると、このシリーズはFG失敗に終わるが、ハーフライン付近から始まった次のシリーズでは、RB#44川淵、#30山中のランでゴール前10ヤードに詰め寄る。ここはK#15前川がFGを成功させて追加点。
さらに前半終了間際にも、敵陣46ヤードからQB原口からWR#4太田へのパスでゴール前26ヤードとすると、K前川が2本目のFGを決めて、12-0で前半を折り返す。
後半に入ってもアサヒ飲料の勢いが止まらない。
自陣38ヤードから始まった最初のシリーズは、相手の反則でダウン更新すると、QB原口からWRキングへの14ヤードパス、WR太田への29ヤードパスが立て続けに決まり、ゴール前11ヤード。
ここからもWRキングへTDパスが通って、19-0とさらに得点差を広げる。
アサヒ飲料はディフェンスも躍動する。
キャッチアップを狙って交代出場したアズワンのパッサー、QB#17田原が自陣の25ヤード付近から投じたパスを、アサヒ飲料のDB#27平松がインターセプト。
そのままエンドゾーンまで34ヤードを戻し、TDを奪ってしまう。
最終Qに入ると、アズワンもQB田原が、RB沖田へのパスやランを軸にドライブを開始。しかし敵陣へと攻め込んだところで、アサヒ飲料ディフェンス陣の壁に阻まれ、2度の4thギャンブル失敗に終わる。
それでも粘るQB田原は、自陣31ヤードから、自らのランを交えた連続パス攻勢で果敢に攻め、最後はWR#19清水への37ヤードTDパスで締めくくり一矢報いるが、反撃もここまでだった。
その後もアサヒ飲料は、RB白神が今季の集大成となる55ヤード独走のTDランや、交代出場したQB#11福井がWR#16西山へのTDパスで追加点を奪うなど得点を重ね、結局39-7でアサヒ飲料が地力の差を見せつけてSuper9に勝ち残った。
「終盤は毎週連続で試合が続くなど、厳しいスケジュールのシーズンだったが、選手達は本当によく戦い抜いた。チームとしては間違った方向に向かっていない、全体のアベレージは上がったと思う」と、タフに成長した選手達を称えるアサヒ飲料の松本ヘッドコーチ。
「我々はクラブチームらしいクラブチームとして、その魅力を発信出来るチームにしたい。それが今後のリクルート戦略にも繋がる」と、想いは既に来季のチーム構想へと向かっていた。
「次の1年が決まる意味のある大きなゲームだったが、全体的に力不足を痛感した。スキルアップ、フィジカルアップ、なによりもっともっとフットボールが上手くならなくては」と、語るのはアズワンの鈴木GM。
「(新リーグは)試合のスパンが短いのでシーズン中の修整が出来ない。春から年間のプランを考えて、夏の段階で仕上げなければならない」と、今季の戦いを振り返る。「上位に対して10回のうち1回は勝てるチームにしないとね」。今日から新たなスタートだ。